シー・シー・ポップ『遺言/誓約』
Saturday, February 19th, 20112011/2/19 19時半~ @神奈川芸術劇場 中ホールを観劇。
リミニプロトコルと同じギーセン大学応用演劇学科卒業生による親子のドキュメンタリー。
舞台美術
舞台上手に、リア王のテキストや、ホワイトボードを映すスクリーン。
下手にソファー3つ。そのソファーに座った人の顔を肖像画のように映すスクリーンが舞台奥に3つ。
後は、レコードプレイヤーが置かれた背の低いテーブルと、役者が休むときのテーブル&チェア。
構成
役者は、She She Popのメンバー女性3人、男性1人と、メンバーの実の父親(演劇未経験)3人。
父親たちがリア王の役で、She She Popのメンバーが遺産をわけられる子供たちの役。
リア王テキストの読み上げと、ヘッドフォンをつけ録音していた制作過程のやりとり再現、実際の役者親子のやりとりという3つの要素で構成。
第1・2幕 リア王が3人の娘に領地を分配するシーンでは、遺産と引き換えに娘の愛情や被介護権を得ようとしたことが愚か。
僕なら遺産を小出しにするケチケチ作戦でいくと父親が現代的な解釈。
それでも成立しないと子供たちは、父親たちへの要望リストをつきつけ、それぞれ利己的な権利を主張。
家族の醜いやりとりを舞台上でさらすことに父親達は抵抗感。
第3幕 嵐のシーン
そもそも良い大学に入学して自慢の娘達だったのに、卒業後も演劇を続け、しかも、舞台上でむやみに裸になる君たちに親として残念。
それでも、今回のプロジェクトの過程で子供達に理解を示し、父親達は舞台上で服を脱ぎ嵐のシーンのテキストを読み上げ。
さらに子供達と衣装の交換をして、役の交代。世代交代。
第4幕
子が親へ、親の好きなレコードをかけて、子から親への許し。その後、親から子への許し。
第5幕 リア王の死
段ボールの棺桶に入った父と子供達の会話。
最後、フランクシナトラのSomething Stupidを歌いながら役者全員が舞台に重なって終了。
感想
リミニプロトコルは、リサーチの対象を外に求めるのに対し、She She Popは、内面を探求していて面白く、普遍的。
老いや相続、介護や死に体当たりで向き合った親子の愛は、胸に来る。
素敵な選曲やユーモアあふれるやりとり・演劇的演出もあいまって、重くなりがちなテーマも軽やかに表現。
第3幕の役割交換(親子の相互理解ができたところ)以降は、思わず笑みががこぼれる多幸感。
娘による「私の父と付き合い方。それは、右寄りの考え方にも理解を示すこと。」みたいな独白が、
「体が悪くなった父のために流動食を食べさせる。」といった介護の覚悟を示す独白に変わっていくシーン。
父親が後ろで Whitney Houston の「I will allways love you」を口ずさんでるところは、泣けました。
She She Pop “TESTAMENT”(シー・シー・ポップ「遺言/誓約」)公演案内.1
She She Pop “TESTAMENT”(シー・シー・ポップ「遺言/誓約」)公演案内.2
She She Pop “TESTAMENT”(シー・シー・ポップ「遺言/誓約」)公演案内.3
She She Pop “TESTAMENT”(シー・シー・ポップ「遺言/誓約」)公演案内.4
