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リミニプロトコル『Black tie』

Saturday, February 26th, 2011
 
世界の小劇場 ドイツ編
 

世界の小劇場 ドイツ編

2011/2/26 18時~ @神奈川芸術劇場 を観劇。
ポストドラマ演劇のカンパニー。今回は、養子制度を元にしたアイデンティティの話。

舞台美術

上手にスキャナが置いてあるテーブル。舞台中央にスクリーン。スクリーンの上に韓国語の垂れ幕。日本語字幕。下手の手前に演説台。下手の奥に音響&PC操作卓。
床面には、主役ミリアムのDNA配列がびっしり。

出演者

ゼロ歳でドイツの白人家庭に養子にとられた韓国生まれの女性 ミリアム(本人)
演奏&PC操作のピーター 。

 

構成
結果が即座にスクリーンに反映されるスキャナや、マイノリティリポート風のジェスチャーUI装置を使いながらミリアムのほぼモノローグで進行。

ミリアムの生い立ち紹介(生まれた時代背景・場所の説明、自身が捨てられたときに包まれていた新聞の紹介、ドイツではアジア人の顔立ちが浮いてしまったこと)

→世界の養子事情紹介(ドイツの養子を受け入れた家族の映像、韓国KBSの養子が本当の親に再会する番組の映像)

→韓国テグへの家族探しの旅(顔は同じだけど、ことばが通じない疎外感。逆に韓国の家族のつながりがまぶしく映って、なんだかもう。)

→DNA検査によるアイデンティティ探し(2つの検査機関(23andme,decodeme)が異なる結果を提示して結局あやふや。)

→ 自分の外に自分を求めても帰ってこない。音楽ライターとして生きている私は、私。

→でも、いつかアルツハイマーになっちゃって、すきな音楽の名前が出てこなくなっちゃったら嫌だなー。という独白で終了

感想

自分には、少し縁遠いテーマ。複雑な境遇でもさばさばと生きる本人に、養子の見方がちょっとかわる感覚。
こーいう異なる視点を、演劇からもらえるのは幸せ。

過去のリミニプロトコルの日本公演と異なり、日本でのリサーチを実施してないこともあり、レトリックの部分でわかりにくい部分。伝わりにくい部分があり、そこら辺は、招聘する方々にも配慮してもらえると嬉しかったなと思ったり。

アフタートーク(うる覚え)
出演者:リミニプロトコル・セバスチャン、本企画のキュレーターさん
ミリアムは、作品で自身のことを語って、作品外では語らないのでアフタートークには出ません。

Q.ブラックタイとはどういう意味?
A.タイと言っているが、パーティでタキシードを着るの意味。字面の意味と、本当の意味がヅレているワードとして使っている

Q.ベルリンでの公演と横浜での公演の観客の反応は違う?
A.もちろん差はある。ベルリンでは、笑いが多い。日本では、泣く人がいた。また日本でも、1日目と2日目でも違いがある。1日目は、笑いがなかった。今回の公演で、DNA鑑定部分、ベルリンではおこらなかった笑いがおこっていた。

Q.脚本の違いは?
A.少しあるが、出演者のミリアムにとっては小さな差。

Q.どうやって本作をつくっていった?
A.最初の3ヶ月間は、リサーチ&インタビュー(ミリアムの前に10人程度、同じ環境の人の話を聞いた)
残り1ヶ月間は、舞台演出。

Q.この作品をつくったきっかけは?
A. 双子モチーフをやりたかった。モノローグを作りたかった。DNA→アイデンティティといった変わったことがしたかった。結果的に、養子の話になった。

Q.DNA検査は、このプロジェクトの前に本人が実施していたの?
A.信頼の上で、制作過程で実施

Q.ミリアムが韓国に家族探しにいったのもこのプロジェクトの過程?
A.ミリアムの渡韓は、プロジェクト開始の2年前。

Q.出演者のプライバシーに踏み込み、舞台にあげることについてどう思う?
A.適切なリサーチ手法で進めている。また本人のプライバシーをさらすだけの作品ではなく、本人の事情からその周りの世界を描いている。あくまで手段にすぎないし、本人との信頼関係も同時に構築している。

Q.一人称を「あなた」と呼んだり、第三者を「私」と呼んだりしていたがその意図は?
A.アイデンティティをテーマにした劇なので、レトリックとしてこの表現をつかった。
キュレーターさん:ここは字幕をつくる過程で悩んだ。

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