維新派『台湾の、灰色の牛が背のびをしたとき』
Sunday, December 5th, 20102010/12/5 13時~ @彩の国さいたま芸術劇場 大ホールを観劇。
2007年から続いている <彼>と旅をする20世紀三部作の三部目。岡山県・犬島の野外特設劇場公演を経ての室内公演。
舞台美術
全面木の床。舞台中央から奥にかけて街灯が照らす道。舞台奥には、バラックの集合住宅。遠景。洗濯物が干してあり、ホコリまみれの生活感。サイドには、島々をあらわす丸太で組んだ競り上がりが複数点々。
構成
明治の始めから第2次世界大戦まで、
黒潮でつながる東南アジア(台湾、インドネシア、フィリピン・ダバオ、サイパン )を生きた日本人移民たちの生涯を維新派特有のジャンジャンオペラで詩的にダイナミックに表現。
感想
室内公演だからか、話・テーマがいつも以上にすんなり入ってくる。
坂の上の雲と同時代。だけど描かれるのは、ホコリにまみれながらも夢と希望にあふれた日本人移民の青年たち。
身体性のともなわないグローバル化進む中、体当たりで現地との交流をしていた日本人が描かれ、
現代の欠けてしまった視点を提示された感じ。
終盤、開拓移民が築き上げたものが太平洋戦争で砕かれるシーンも感傷的には描かず、
歴史の中の大河の一滴として描く。
タイトルの『台湾の、灰色の牛が背のびをしたとき』は、フランスとウルグアイの国籍を持つ詩人ジュール・シュペル
ヴィエル作品の引用。~同じ瞬間に ウルグアイの牛が 誰かが動いたかと思って 振り返って 後ろを見る と続く。バタフライエフェクト的な因果をもって、あの時代といまとのつながりを感じさせるすごい作品。
